漢方では「痛み」の発生は、前述した「気」「血」「水」の三要素が滞る状態、すなわち気帯、瘀血、水帯によるものと考えられています。

具体的な症状としては

気滞:抑うつ状態、神経症、心身症

   動機、めまい、のどがイガイガする

   腸内ガスがゴロゴロ鳴る

瘀血:唇や舌が暗赤色~紫色

   皮膚に内出血の斑点が出やすい

   全身・局所の灼熱感

   月経に関連する不調(女性の場合)

水滞:体がむくむ

全身倦怠感、頭痛

   多汗、口の渇き

   排尿回数が多い、十分排尿できない

   関節に水がたまる

などがあげられますが、さらにその背景に「陰陽」「虚実」の体質があるとされています。

 

陰陽の体質とは

    陰          陽

寒がりで冷え性     暑がる

冷やすのを嫌う     冷やすと気持ちよい

顔色が青い       顔色が赤い

熱が出ても感じにくい  熱が出ると熱感を訴える

暖かい食物や飲料を好む 冷たいものを好む

下痢しやすく水様便   便が固い

生体反応が減退     生体反応が活発

総じて陰気である    総じて陽気である

 

虚実の体質とは

    虚          実

弱そうだ        丈夫そうだ

かぼそい、きゃしゃ   がっちり、どっしり

声が小さく細い     声が大きく太い

胃腸が弱く小食     胃腸が丈夫で大食

疲れがとれにくい   すぐ疲れがとれる

抵抗力が弱い     抵抗力が強い

消極的、静的     積極的、活動的

 

また上記の体質以外の、痛みを起こす原因には

環境が要因となる六淫(ろくじん):風・寒・暑・湿・燥・火

精神的な情動が要因となる七情(しちじょう):気・怒・憂・思・悲・恐・驚

慢性疲労による労倦(ろうけん)

飲食の不摂生

外傷

などがあると考えられています。

 

アーツメディックでは、漢方の独自の視点から、西洋の医学では治療し難い疼痛を診断し、漢方薬を処方する、漢方整形外科外来を開いています。